清元「柏の若葉」

曲目の解説

第4回は、清元「柏の若葉」についてお話ししましょう

  本名題は、「寿祝柏の若葉」(ことぶきいわうかしわのわかば)
 略称は「柏の若葉」で、清元の定紋の「三つ柏」に因んでの名前である。
 なお、清元宗家は、現在「三つ瓢箪」を定紋としている。
  この浄瑠璃は、明治27年9月正式に家元を相続した五代目延寿太夫が
 明治30年6月20日両国中村楼五世延寿太夫の家元襲名披露に、「青海波
 」と共に封切りされたものである。
  花鳥風月にこと寄せて、延寿太夫が家元を相続するようになった次第と、
 清元の繁栄を祝う品の良いご祝儀曲です。
  この曲は、ゆっくりとした遅間で「その蝉桐」以下の口説きは特に緩徐に
 語ります。
  フシ〈節〉も三味線も類型を避けた旋律が工夫されていて、やさしくない
 曲といえます。